浄土真宗千葉組

千葉県にある浄土真宗本願寺派(お西)の活動を紹介しています。

1月法話 迷信

1月法話 迷信

  『迷信』

真光寺 正木 信明

 

先日のことです。私の後輩(30代前半)が新車を購入すると言うので、相談を受けました。突然、

『正木さん、お願いがあるのですが・・・新車登録にあたり車のナンバーを決めて頂きたい』

と話し始めました。私は思わず

『どうして僕に頼むの?愛車なのだから自分の好きな数字にしたら?』

と答えると、お坊さんに決めてもらえば事故やケガが起きない!と話すのです。そこで私は『それでは、自分の誕生日の数字にしたら?』

と言うと彼の誕生日は4月4日とのこと。

『№44じゃ最悪でしょう』

と言う。彼は4=死 と捉えているようでしたので、

『4と4を合わせて、しあわせ!と言う人もいるし、親からいただいた大切な命の誕生日が4月4日。おめでたい日じゃないか?』

と話すと急に笑顔になり

『そうですね。そう考えたら楽になりました。今回は№44にしてみます』

と言い、後日納車された新車のナンバーは本当に44になっていました。数字の考え方一つでこんなにも変化できるとは正直思ってもいませんでした。根拠のないものを信じなくて良かったね!お坊さんが数字を選んでも事故やケガは起きるときは起きるよ。安全運転をね!と二人で笑いました。

 

また、数年前のある朝の出来事です。私の娘が小学生の時、朝の占いのコーナーを見て

『今日は最悪だぁ』

としょんぼりしていたので、どうしたのか尋ねると

『私の星座(12/24生まれのやぎ座)が最下位の12位だから今日は良いことがない』

と話すのでした。

 夕飯時に娘に

『今日は学校で良いことあったか?』

と尋ねると満面の笑みを浮かべ

『聞いて聞いて~。今日ね、クラスの席替えがあって○○君の隣になったんだよ。もう最高!』

と喜んでました。○○君とは、娘が好きな男の子のことらしく、私が

『そんなに嬉しいことがあったのだから今朝のテレビで占いが最下位だったけど、あの占いは当たらなかったんだね』

と聞くと

『あんなの迷信、迷信!』

と笑いながら答えてました。

『自分にとって良いこと、悪いことはどんなときにでも急にやって来る。自分が良くたって中には悲しんでる友達もいることを忘れてはいけないよ。占いなどに振り回されないようにしないとね。』

と話しましたが、実際に娘が迷信の意味を理解しているとは思いませんが、今後の大きな一歩になると思いました。

 

このように私たちは、自分に起こってきた事柄を自分の都合に良い事と悪い事、大切な事と邪魔な事、そんなふうに分けています。自分に都合の悪い事は排除しようと考えながら生きてしまうことがあります。自分の都合に合うか合わないかというのは身勝手な判断に基づく分け方ではないでしょうか。そのような人間の身勝手さの深い闇を照らし、仏の智慧の光のはたらきを自らの拠り所としていくとき、どのような問題が起ころうとも、そのことに対しての好き嫌いを超えて、事実を真っ直ぐに受け止めて生きていけるのです。

 

私たちの日常生活の中には、昔からの言い伝えや占いや六曜などがあり、このような『迷信』に振り回されて生きていることに直面します。こういうものの考え方は私たちの生き方をどんどん窮屈にしてしまいます。逆に、そういうものに捉われず振り回されないことで自分の人生を精一杯輝かせて生きる道があるのです。その道を親鸞聖人はお念仏の道として示されています。『念仏者は無碍の一道なり』と。何物にも邪魔されることのない一途の道を歩むことが仏様の真(まこと)の心に目覚めた者の姿でしょう。

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