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法話

あみだ様ありがとう

照光寺 脇本正範

 💚8月の法話💚 

ご讃題

本願の名号は正定の業なり

至心信楽の願を因とす

等覚を成り大涅槃を証することは

必至滅度の願成就なりと

今回のご讃題は教行信証の行文類の末、正信偈からいただきました。

わたしは今年で42歳になるのですが、体調の変化、体質が変わるよと先輩から伺っていました。今年の2月に風邪をひき、それまでは3日程度無理をしなければ回復していました。ただ、今年はわたしの日頃の生活が良くなかったのか回復までひと月かかりました。

私ごとばかりになってしまいますが、体調の変化があってよかったと思う体験もしました。私の家族は3人家族です。私とツレと6歳の息子がいます。

母親の子育ては24時間365日と聞いていましたが実際にお乳を上げるツレの姿や子どもが泣いたり愚図ったりしたときには、どんなに疲れていたとしても、どれほど睡眠不足だったとしても母親は起きて子どもに「どうしたの」と声をかけ続ける姿がありました。

子どもが深夜に少しでも声をあげるとパッと目を覚まして気が付く姿にはとても私にはできないおかあさんの能力なんだなと感じる毎日を過ごさせてもらいました。

ある日、深夜の2時くらいからでしょうかおなかがシクシク痛くなってきました。何か悪いものでも食べたかなと思いつつお薬を飲んでから再度眠りにつこうとするのですが、いつもとは違いシクシクから激しい痛みに変化していきます。

朝までお布団のなかで「うんうん」唸っていましたが、我慢できそうもないのでお医者さんに行くことにしました。

ウィルス性の胃腸炎は胃腸の風邪ですが、対症療法でしか治療できないとお医者さんに診察していただきまして、痛みどめをもらって帰ってきました。

自宅ではやく薬が効いてくれるといいなと横になっていましたが、ふと、となりで寝ているツレと息子の関係を思い出したのです。

ツレはどれほど自分が疲れていたとしても息子が声を出したり、泣いたりしたときは夜中の2時でも3時でも必ず起きていましたがわたしが一晩中、うんうん唸っていても朝方まで熟睡していました。

おなかの痛みが和らいだ頃、ツレに熟睡してたねと申しましたところ笑っていましたがお母さんと子どもは見えないはたらきでつながりあっているんだねと伝えました。

6歳になる息子が大きな声で「おかあさん」と呼ぶとおかあさんは二階にいてもすぐに飛んできます。どんなに遠くにいても子どもの声はおかあさんに届くのです。

わたしが「おーい、電話だよー」と叫んでもツレには届かないのか聞こえないのかすぐには飛んできません。

「おかあさんはすごい」と感じさせてくれたことがとてもありがたかったです。

そして「まるで阿弥陀様みたいだね」とツレに伝えました。私たちのことを阿弥陀様はほとけの子と呼んでくださいます。

わたしたちがさみしいな苦しいなと思うときはより一層あみだ様はこころをかけてくださるそうです。そしてどんな子であっても必ず救うぞ、見捨てんぞと私たちにはたらきかけてくださっています。

息子が「おかあさん」と呼ぶ声と「なむあみだぶつ」はいっしょです。おかあさんとよぶ子どもの心には疑いのこころはありません。

疑いのこころ晴れやかになったところを他力というのだそうです。

今回のご讃題は

本願の名号は正定の業なりというご讃題ですがあみだ様の願いが南無阿弥陀仏と成就して、必ずすくう見捨てんぞとはたらき通しに働いてくださっています。

そのあみだ様のお呼び声に「はい、ありがとうございます」「なんまんだぶ なんまんだぶ」と味わわさせていただくところに人の都合によって変わることのない確かないのちのよりどころのある生活を歩むことができるのです。

子どもにとっておかあさんは、自分の存在を支えるはたらきです。帰る場所があって初めて外に出て、さまざまなことにチャレンジしていくことができるそうです。

あみだ様の懐住まいをさせていただきながらこの人生をせいせい堂々と生き抜いていきましょう。

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