法話

8月法話

 雲妙寺住職 大善文彦

 ニュースで「香港のディズニーランドが、開園1周年を迎えた」とながれていました。
 日本のディズニーランドは、昭和58年4月浦安に開園してから、今年で34年と聞きました。
 最近は行くことも無くなったディズニーランドですが、以前に、「スペースマウンテン」や「スプラッシュ・マウンテン」に乗ったことがありました。
 初めて乗るときは、気持ちがわくわく気分でしたが、いざ動き始めると前後左右に身体が揺れて早いスピードにびっくりした思い出があります。
 あの「ジェットコースター」自体はプログラムされた通りに動いているだけなのですが、私にすれば、その予想外の動きに圧倒されました。
 ジェットコースターの働きが、私の身体を動かします。

 阿弥陀仏の前身は法蔵菩薩という菩薩様でした。
その菩薩様は、「いのちあるもの全てをお覚りの仏にする」という誓いを立てられました。そのうえに、重ねて誓いを立てられました。
それは「どんな境涯にいるいのちにも、わたしの名前を聞かせます。それが出来ないうちは、私は菩薩の状態のままでおります」というものでした。
そして、その方法を時間をかけて考えられて修業に入られました。

 修業に入られた法蔵菩薩様、そのご修業は継続中か、それとも終了されたかというのが大きなポイントです。
 法蔵菩薩のご修業が終わった時点で、私の成仏は決定するからです。
 その法蔵菩薩が、阿弥陀仏に成仏し終わってから、すでに十劫という時間が経過しています。

 私は、そのことを耳に入れる事なく、過ごしてきたのが私のいのちの歴史でした。
この度の人間境涯で、そのことを聞きそびれたならば、また迷いの世界にもどらねばなりませんでした。

 わたしを、お覚りの仏にする仏様があらわれたのです。
 阿弥陀仏という、仏様の働きは『私の耳に「南無阿弥陀仏」と声の相で現れる』という特徴があります。
 のどを振るわせ口を動かさせ、「南無阿弥陀仏という名号」を出させて私の耳に声の相で現れます。

 これは、私が行う行為ですが、それをさせる働きが名号にはプログラムされています。
 それは、ジェットコースターの動きが、私の身体を前後左右上下に動かす如くに、全く阿弥陀仏の側の働きしか有りません。