法話

そのままの救い

真栄寺 馬場弘道

💚 8月の法話 💚

先日、お寺での法事に 小さなお子さんがいらっしゃいました。私が法事を始めようとすると 隣にいるお父さんに「なんだかミシミシと音がなってるね。お寺が崩れないかなぁ」としゃべっていました。お父さんは「大丈夫だよ、木も生きていて 呼吸をしているのかもね」と答え、無事に法事が始めました。これは家鳴きという現象で、木が湿度や温度の変化で 膨張や収縮する時に出る音のようです。木材を多く使用しているお寺では よく聞かれます。


このようなやりとりある中で、以前に児童館で働いていた時のことを思い出しました。児童館の入口に 木の枝が伸びてきて邪魔になっていたので のこぎりで切っていると、近くにいた子どもが「ごねんね。痛いよね~」と木に語りかけていました。私はハッとさせられましたが、今度は それを聞いていた別の子が「大丈夫だよ。木も散髪しないといけないんだよ」と声をかけてきました。なるほどなぁ~と、子ども達の会話を聞きながら 深く感心しました。子ども達の気持ちに間違いはなく、まっすぐに思いが伝わってきます。


それぞれの思いや心をそのまま聞き、受け止めてくださるのが阿弥陀さまです。子ども達の純粋な心はもちろん、木が邪魔だなぁと思った私の心もです。阿弥陀さまは 心を変えなさい、これをしなさいとはおっしゃらずに、私の『いのち』をそのまま受け止め、あなたを見捨てることはありませんと、慈悲の心で包んでくださいます。『そのままの救い』とは、阿弥陀さまのあたたかいお心にふれる中で、そこにとどまらずに 今一度、自分自身を見つめることなのかもしれません。

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